◆制動操作 |
軌道線では連結運転の場合でも直通ブレーキ方式の常用が認められています。世田谷線でも例に漏れず、旧型車両はSME直通ブレーキを採用していました。
SME車の制動の基本ハンドル操作は、オーソドックスな「一段制動・三段弛め(いちだんせいどう・さんだんゆるめ)」が定石でした。ただあくまでも区長の指導方針であって、常時絶対というわけではありません。状況に応じた制動操作を行いましょう。いったん弛め操作を行った後に、再び込める「また掛け」は極力避けるべきです。
300系は電気指令式です。ハンドルレスポンスが早いために、一段制動では衝動が大きくなってしまいますので、「二段制動・二段弛め」、あるいは「二段制動・三段弛め」などが一般的となっているようです。なお、鉄道線の車両と比べると減速度はかなり強く設定されていますので、浅いブレーキングでも充分に停まれます。
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◆緊急ブレーキ |
運転者が何らかの理由で正常な取扱いをできなくなった場合に、列車が暴走するのを防ぐため300系には「緊急ブレーキ装置」が設けられています。これは制動弁がB3以下の時に、主ハンドル内に組込まれたスイッチを開放すると非常ブレーキが作用するもので、8000系以前の車両では「デッドマン装置」と呼ばれていたものです。bve2では仕様上、緊急ブレーキ装置は動作しません。
bve4ではATSプラグインによって再現は可能です。ただし試作検討の結果、あまりにも使い辛く、現実離れしているために採用を見送りました。
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◆電空協和 |
300系車両は電気ブレーキが電力回生ブレーキとして機能します。制動力不足分は空気ブレーキが自動的に補完しますので、ハンドル操作は常に同じで構いません。
VVVF制御車は惰行中はLBで主回路を開放し、界磁制御は行いません。そのため回生ブレーキの立上がりが遅いので、電圧上昇までの僅かな時間だけ「初込め」という空制をあてています。
回生ブレーキによる逆起電力が必要制動力を上回ると、初込めは緩解され中間のT台車はノーブレーキとなります。M台車がT台車の制動をも負担している状態です。回生ブレーキだけでは制動力が不足する場合には、「遅れ込め」でM台車とT台車均一に空制が作用します。
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◆主回路電流計 |
300系には運転台に主回路電流計が設けられており、自車の主回路を監視しています。時計回りを力行とする両振式で、発電時は逆向きに針が振れます。正が黒色、負が赤色と、通常の電気仕様とは逆の色使いになっていますが、鉄道界ではなぜかこれが標準となっています。なおbve2では仕様上、電流計は動作しません。
bve4ではATSプラグインによって、擬似的に電流計を再現しました。回生ブレーキの作用状況が視覚的にもわかると思います。
また、デハ80形は実際には電流計は設けられていませんが、オーバーロード対策と初心者の学習用として右下に片振式の電流計を設けました。直列段と並列段とで挙動が異なるHL(末期はHB)車の電流計が楽しめます。

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◆オーバーロード |
オーバーロードが発生した場合には、自動的に保護作用が働いて主回路が開放され、「OLR動作」表示灯が点灯します。マスコンを切位置にした後、復旧操作をしてください。bve2では仕様上、OLは発生しません。
bve4ではATSプラグインによって、電流値をトリガとしたOLを再現しました。なお、デハ80形は実際には同表示灯は設けられておりません。

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◆回生失効
(田玉線と同様) |
電路電圧が安定しない場合に回生ブレーキが失効することがあります。bve2では仕様上、回生失効は発生しません。
bve4ではATSプラグインによって、ある規則性で回生失効が発生するようにしました。また、一旦失効しても再度回生復帰することもあります。回生失効した場合には自動的に空制が立上がって制動力を補完しますが、意図したブレーキタイミングがずれるので、駅停車の時は特に気を遣います。
失効時はLB遮断音とともに電流計が0Aとなり、BC圧力計が上がってきます。
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◆回生開放
(田玉線と同様) |
bve2では仕様上、回生ブレーキを開放することはできません。
bve4ではATSプラグインによって、回生開放できるようにしました。開放時は表示灯が点灯し、空制だけで減速/停止します。また制動時の電流計は常に0Aを指しています。と言っても、故障でもないのに通常運転でわざわざ開放する必要はありません。エピソードしては、301編成の投入当初は回生ブレーキの調子が悪く、開放運転を行っていました。
スイッチの操作条件は、制動弁「B4」以上です。

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◆耐雪ブレーキ
(田玉線と同様) |
300系のみの機能として、降雪時に車輪踏面とブレーキシュウとの隙間に雪が入り込まないように、耐雪ブレーキを使用します。ただしbveでは仕様上、制動と力行とを同時に作用させることが出来ませんので、耐雪ブレーキは再現できません。
bve4ではダミーではありますが、表示灯を点灯させることができます。ただ300系車両にはブレーキ指令計が設けられていないので、あまり面白くないかもしれません。
なおスイッチの操作条件は、制動弁「B4」以上です。

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